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海南島の伝統芸能 3

打柴舞

打柴舞
打柴舞

歌と音楽と踊りの大好きな黎族の代表的舞踏芸能、“竹竿舞”ともいいます。地面に水平、平行に並べた竹竿をリズミカルに動かし、踊り手がそれを上手にステップでかわしながら踊ります。フィリピンやタイでも行われる“バンブーダンス”と同じタイプのフォークダンス。
基本は、3mほどの2本の竹竿を寝かせ、両端を“打ち手”が向い合わせに持ち、リズミカルに竿を打ち合わせたり離したり、 “踊り手”は竿をかわしてステップを踏みます。「跳ぶ」といったほうがしっくりするでしょう。

多くの場合、打ち手は1組ではなく4組、計8本の竿を利用、踊り手は2人から10人です。横並びの竿を端から跳び進むのをはじめ、徐々にリズムに緩急をつけ、戻る所作や一拍多く同じ所に留まる所作を増やしたり、竿を井桁型に組んで、外側と内側に離れたり集まったりの動きや、四方を回る動きを組み込んだりします。
4、5人横並びで同じ動作に揃えることもあれば、2人1組で左右対称の足運びをみせたり、ターンを入れたりもします。また、一部の竿を肩くらいまで上げて、くぐる動作と進む動作を同時に行うなど、曲が進むうちに動きの難度が増してゆくのがオーソドックスなパターン。リズムが基本2拍子なところが、フィリピンのバンブーダンス「Tinikling」(ティニクリン)と印象が違います。
ステップには「磨刀歩」「小青蛙歩」「大青蛙歩」「狗追鹿歩」「鳥鴉歩」「篩米歩」など、自然や生活にもとづく名前が付けられているのだとか。

複雑で素早い動き 複雑で素早い動き

竿を踏んだり、挟まったり、ぶつかったりはアウト。「巧みな踊り手はモテル!」ともいいます。舞踊というより、技を競うスポーツやゲームに近い感覚もうかがわれますが、曲によっては農作業の所作が入るなど、全体テーマのある舞踊色の色濃い曲もあります。

楽しむ事が目的で始まった舞踏かとおもいきや、起源は葬祭の一風俗だったとのこと。
かつて黎族の葬儀方法に“旱賽”と呼ばれる、遺体を納棺した状態で決まった期間安置する祀り方があり、打柴舞はその“旱賽”期間の夜、喪の家に村人が集まり毎晩踊られていたのだそうです。「御見舞い」と「祖先を祀る」という意味、また、遺体を保護する意味のある行為なのです。竹を打ち合わせる「カッ、カッカッツ」という音で獣を追い払ったともいわれます。

2006年に中国国家級非物質文化遺産(日本の無形文化財にあたる)に指定されています。文化遺産登録は三亜市ですが、白沙、東方、楽東、昌江、瓊中、陵水、五指山など各地の黎族でみられ、「三月三」などのお祭りで必ず登場します。保亭の人気民族アミューズメント「ビンロウ谷」で通年観ることができますし、「YANODA熱帯森林公園」では体験もできますので、来て観てやってみてください。

来て観てやってみよう! 来て観てやってみよう!
なかなか難しい? なかなか難しい?


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