海南島
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海南島の伝統行事 1

軍坡節

旧暦2月6日から12日は海口市龍華区、美蘭区、秀英区、瓊山区を中心に“洗夫人文化節”が行われます。これは海南島に古くから伝わる伝統民間祭礼“軍坡節”(閙軍坡ともいいます)の一つで、もっとも盛大に行なわれる軍坡節でもあります。

軍坡節は祖先や歴史上の英雄などを祀る海南島独自の祭礼で、“公期”(祀る対象が男性)“婆期”(祀る対象が女性)と時期が分かれ、その祭日も祀る人物も各地域(一般的には各郷村単位)により異なります。地元ではただ“公期”と呼ぶこともあるようです。多くの軍坡節は春節が明けた2月か3月頃に行われ、島沿岸部、中北部で盛んです。洗夫人軍坡節の他、海口の“永興軍坡”“梁沙婆祖軍坡”、屯昌の“聖徳娘娘軍坡”“楓木軍坡”、万寧の“龍滚芋頭軍坡”などが大きな軍坡節です。

各地それぞれとても盛大に、賑やかに祝われます。昼には市が立ち、夜には瓊劇や木偶戯が催され、御馳走を用意して知人や近隣で招待し合います。お供えをし、祀る対象の霊が各戸を巡る“巡遊”を迎え、日本でいうところの“神楽舞い”のような道士の舞いなども行われます。細い鉄棒を頬から頬へと刺し通して練り歩く“穿鉄絲”という、海南島独特の風習もあります。

海口公期、 海口公期、
“穿鉄絲”を行う男性 “穿鉄絲”を行う男性

洗夫人軍坡は、6世紀に実在した洗夫人という女性を祀る軍坡。洗夫人は孫の代まで海南島、広東省、広西省周辺の嶺南地域を平和で豊かに治めた人物で、嶺南地域で大変尊敬され神格化した女性です。
海南島内で50箇所を超える洗夫人廟の中でも最も大きく参拝者も多いのが、海口市瓊山区新坡鎮にある洗夫人廟(現;洗夫人記念館)。ここでは、洗夫人と夫の馮宝が南渡江を渡り新坡で軍隊を駐屯、旧暦2月6日から12日に出兵して戦乱を鎮めた、という伝説に基づき出兵式を模した“装軍”や勇ましい姿で練り歩く“装軍巡遊”を華々しく行います。2002年に、洗夫人没後1400年及び新坡鎮洗夫人廟創建400年を記念し“洗夫人文化節”と呼ばれるようになり、現在では海口の各洗夫人廟の祭礼を総称します。

洗夫人文化節 洗夫人文化節


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